不妊治療をしていると、普段の生活の中での
性交渉に対して、いろいろな疑問がわいてくるのではないでしょうか。
そしてそんな疑問や不安を担当医に確認できないまま
治療のプロセスを過ごしてしまう患者様も多くいらっしゃいます。
今日は、胚移植前の性交渉が、体外受精治療の結果に
ポジティブに影響を与えるという研究結果についてお話ししたいと思います。
223名の体外受精患者に対し行われたリサーチの結果
これは、中国の研究チームにより、2019年の6月19日から9月24日にかけて
体外受精治療を受けている3223名の患者を対象に行われたもので
リサーチの方法は、胚移植の前日に、
・コンドームを使用しての
性交渉(116名)
・性交渉をしないグループ(107名)
をした患者の経過をフォローアップし、
化学流産、臨床妊娠(クリニックにてエコーによる妊娠の確認)
早期流産、着床率について確認したものです。
胚移植前の性交渉により、着床率そして妊娠率ともアップ
リサーチの結果をみてみると、移植前日に性交渉をした場合
着床率は38.31%(しなかった場合は、24.77%)
臨床妊娠率は51.72%(しなかった場合は、37.07%)
という結果がでており、
性交渉のあるカップルの方が着床率そして妊娠率ともに
アップしたという結果が出ています。
また、流産の可能性については、目立った違いなく、性交渉のあったグループは11.67%、
なしのグループは14.63%と報告されており大きな違いはありませんでした。
ご本人がどう感じているかが最も大切なこと
この研究結果だけで、胚移植前の性交渉のベネフィットや、
胚移植の結果を必ず向上させるものとして理解することは
時期尚早ではありますが
凍結胚を融解し、移植をする場合に、
移植の前日に1回のみ性交渉をした場合に
妊娠率や着床率が向上したという1つの事実であることは
間違いありません。
だからといって、すべての患者様にとって
これが最適な方法かというとそういうわけではなく
やはり治療中は患者様ごとに
おかれている状況や
心の変化やストレス、そしてパートナーとの関係や
パートナーの有無もありますので
一番大切なのは、患者様にとって
一番心地よくリラックスできる選択をしていくことではないでしょうか。
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